醤油の特性 料理科学の森




昔読んだ本に、皮肉っぽくこう書かれていました。
「日本人は醤油中毒」
流石に中毒は言い過ぎですが、それほど日本人にとって身近な調味料である醤油について考えてみましょう。

醤油の特性には、
①緩衝作用(かんしょうさよう)があるので、酸味や塩味をやわらげる。
②酸性であるので、醤油を加えて加熱すると緑黄色野菜のクロロフィルが退色する。
魚肉や食肉の臭みを消す
④焼き加熱など温度の高い加熱では、醤油のアミノ酸と糖によるアミノ・カルボニル反応で表面の褐色の焼き色と良い香りが生成される
等があげられます。

また、醤油の使い方として意識することは、香りを大切にする料理、とくに汁ものなどでは醤油の一部は最後に加えた方が効果的である。一方で、味をしっかり浸み込ませる料理(煮物など)の場合は、初めから醤油を加えて煮込む


ここからは主観だが、私が辻調理師学校に通っている時に中国料理のテクニックの一つに、チャーハンの完成間際に鍋のふちに一滴だけ醤油を垂らすというテクニックを習った。これにより、一気に醤油の香ばしい香りがたち食欲が増進するというものだった。意外にも、こういった実践的なテクニックは料理本には載っていないことが多い。

参考文献 よくわかる中国料理基礎の基礎 NEW調理と理論

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